良いネットワークエンジニアとは

いらすとやさんでとても不穏な画像見つけたので貼ってみました。
ループガードがなかったころは、これでネットワーク全体が死ぬとか結構あったなぁ。あとループガード実装してるHUBが壊れてブロードキャストストームとか気絶したなぁ。
回想から本題に戻ります。
田中(゜p゜)はいちおうネットワーク屋出自だし、PMとしてネットワーク屋さん、回線事業者さんと付き合うことも多いので、良いネットワークエンジニアの条件について書いてみます。
ちなみに田中は回線事業者、ISPに居たことはないので、やっぱりエンタープライズ系の観点となります。
ネットワークエンジニアの実情
- 大抵のSIerでネットワーク屋、サーバ屋は「裏方」であり、エース級の人材は投入されない。よってアレな人が多い。
- ネットワーク構築を本業とする企業では、だいたい約2割が良いエンジニアであり、他6割は普通、残り2割はアレである。
- 回線事業者、ISP(Internet Service Provider)側のコアネットワークはビジネスの根幹なので、次元の違うエンジニアがいる。ただし、表には出てこない。
- システムが分かってネットワークが分かる人材は超貴重なので、個人的にでもパスを持っておくべし
良いネットワークエンジニアとは
- コストに対する意識がある。※重要。本サイトの別ページに飛びます。
- システム(サーバー)とクライアントまでを繋がる仕組みを作るのがネットワークなので、それ以外知らない、と言うのはだいたいイケていない。逆がイケているエンジニア。
- システムが動かない時に真っ先にネットワークのせいにされる損な役割だが、そこでロジカルに押し返せる。プログラマと違い、知らん機器が関係する難しさがそこにはある。下の図参照。

具体的には
- 切り分けの順番を知っている。まずPCから大きな方へ上流をたどる。
- プロトコル、経路の構成、回線のSLAのおおよその理解
- Wireshark、Tcpdumpでプロトコルのフローを読める。
- RFCを読んで、必須、推奨要件を理解できる。
- トラフィックを計測して、機器のせいでないことを証明できる。
「オメーのシステムRFCに従ってねーじゃん! このパケット見ろや!」もしくは「パケットは正常ですが、帯域食いつぶしてますね。回線はあなたが勝手に契約したベストエフォートタイプなんで知らんですそんなの」と言うのが大体のゴール。
ちなみにメーカーの機器やアプライアンスは、RFCの独自の解釈とか、実装漏れにより、他の機器とうまく通信できない(=相性)なんてのはザラにあるということを認識しておいた方が良いです。
「なんか分からんけど、こういう状況でエラー起きます」と言うのと「このパケットの挙動って不具合ですよね」と言うのでは、解決のスピードが天と地ほど違います。
回線事業者との付き合い方
ITインフラ運用における回線コストって非常に重たく、コントロールできると幅が広がるため、参考までに書いておきます。これも良いネットワーク屋の条件かと思います。
- 一度専用線を入れてしまうと、移行はメチャクチャ大変で抜けづらいので、回線の費用だけで十分儲かる。よって回線キャリアはあの手この手の特攻価格で回線を入れようと画策してくる。
- 名前の知れた大手企業を相手にする際であれば、さらにその傾向は顕著。エース級の営業が付く。
- 反対に中小企業向け営業とか、導入後のアカウント営業は大抵イケていない。
田中(゜p゜)は、設計の工夫でInternetVPNのみで品質を確保する方がカッコ良くて好きなので、回線キャリア営業からは嫌われてると思います。
知恵と工夫を凝らして、品質のイマイチな回線から、設計で性能と安定性を引っ張りだすのが良いネットワークエンジニアなのかな、と思ってます。
まとめ
- システムとPCが分かるネットワークエンジニアになるべし。
- ネットワークのせいにされた際に、ロジカルに反撃できる手段を身に着けよう
- 回線キャリアのコストは重たいので、知恵を使って品質とコストのバランスを取れるようになるべし。