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クラウド化の足音

ヤバいヤバい。クラウドヤバい。何がヤバいってITインフラエンジニアの仕事がなくなっちゃう
…などと、2015年あたりに着手してみた時には思いましたが。

実際に企業の中で使おうとしてみた時に、技術以外の壁に当たったりして、今は少し頭が冷えてます。
クラウド化が進むとITインフラエンジニアがどうなるのかというと、概ね以下のようになると思います。

  • 全体的に徐々に先細り傾向になる
  • ハードウェアに寄ってたエンジニアはマジヤバい。
  • ソフトウェア販売、更新に寄ってたエンジニア?もかなりヤバい。
  • 情報基盤系のサービス作ってたエンジニアは細々と生き残る
  • コードを書いて自動化し、コスト削減できるエンジニアは生き残る

クラウド化とは

そもそもクラウド化ですが、以下の2パターンに分類されるのかな、と思います。

  • アプリケーションそのものをインターネットのサービスにアウトソースする
  • サーバーをパブリッククラウドに移行する

ちなみに、日本国内のサーバーメーカーが「プライベートクラウド」などと言ってるのは単に仮想化基盤をサービス化しただけであって、いいところはVMWareの仮想マシンをノンリスクで移行できる、ということだけでした。
AWSがVMWareのサポートサービス始めちゃったし、ろくにAPIも叩けないし、そのうち廃れるんじゃないかなぁ、と思います。

で、前者のアプリケーションのアウトソースについて。
田中(゜p゜)は専門知識なく、あまり語るとボロが出るので、適当にコメントしますが、本業にかかわるビジネスロジックや、管理会計の仕組みを社内で作りこんでる大きめの企業ほど、アウトソースに移行しずらいので、中小企業ほどメリットを享受できるような気がします。

後者のサーバーの移行について。
これはITインフラエンジニアの領域ですね。田中(゜p゜)は挑んだことありますが、日本固有と思われる障壁ありました。

ITインフラのクラウド化によるメリット

多分AWSとかの見積もりツール使ってみたことのある人ならわかると思いますが、パブリッククラウドに単純移行しただけではハードウェアの維持コストは安くなりません。むしろオンプレと比すると5年トータルの維持コストは10~20%ほど高くなります。

これではスポンサーである経営の人を通せません。何せITインフラに求められるのはコスト削減ですから。
じゃあどうやって通すのかというと「人件費の削減」です。クラウド化により以下のようなメリットがあります。

  • ハード障害に起因するインシデント管理コストが超減る
  • コードによりITインフラの管理を自動化できる

前者は「超減る」と書きましたが、田中がオンプレのサーバ300台をAWSに移行した後は、年間160件あったHW起因のインシデントが3件にまで減りました。まー、老朽化が進んでたからですけど…。

後者はクラウドの本質です。いわゆるInfrastructure as Codeつうやつです。
SIerの情報システム部門の課長やってた当時は、実際にユーザー(開発者)の要望に応じて検証環境やプロジェクトの環境作ったりしてたのですが、1~2か月かかってた環境構築が、CloudFormation使って1時間で終わったりするのです。

ちなみに田中(゜p゜)は2016年当時、オンプレのデータセンターの運用してましたが、業務をITILとかのフレームワーク使って可視化、定量化してたので、どの部分をクラウド自動化するのか、またその効果についてすぐ見積ることができました。
結果、人件費込み〇億の5年維持費が30%位削減できる見積ができたのです。

わぁ!やったね!
これで経営の人たちに、大手を振ってオンプレサーバのクラウド化を上申できるよ!

クラウド化を阻んでいるモノ

ということで、勢い込んで経営層の一人に上申の下ネゴを取りに行きました。
が、答えは「人件費なんて削減できねーんだよバカヤロウ!(激怒)」でした。※原文ママ

当時はワケ分からなかったですが、結局「終身雇用制度」「解雇の困難さ」が原因だったかなぁ。

結局のところ日本の企業の情報システム部門というのは、本業で稼げない人たちの受け皿となってるケースが多く、解雇に対する制限も厳しいため、おいそれと人件費削減なんてできないのです。

また、そういう人たちは往々にして技術力ないのでベンダーにSES契約でアウトソースします。SES契約の受託ベンダーにとってみたら、自分たちの食い扶持が減る人件費削減について、積極的に提案してくるワケがないのです。協力ももちろんしてくれない。

つまり、田中(゜p゜)の提案は相当空気読めてなかったのかな、と思ってます。
怒鳴られたのはアレですが、まあ誰が対応しても同じようなことを言われたんでしょうね。結局クラウド化は別の要因もあって経営を通せましたが、それはまた別の機会に。

ちなみに2016年ごろは、お上の規制なんかもクラウド化の障壁でしたが、今や官公庁は「クラウドファースト」謳ってますし、Fintechの絡みもあって銀行のフロントなんかでのパブリッククラウド採用も進んでるので、そういうのはほぼないようです。

クラウド化の流れは止められない

田中(゜p゜)が経験したような組織による障壁は、他の企業でも起こってると思われます。
が、欧米のようなドラスティックではないにしろ、以下のような理由でクラウド化の流れは止まらないと田中(゜p゜)は考えてます。

  • ITインフラ投資の二大必要悪である「ハードウェア老朽化対応」と「ソフトウェアサポート切れ対応」のクラウドによるヘッジが経営の人に刺さる
  • きちんとやればトータルのコストを削減できるのは事実
  • 削減できない人材も、遅かれ早かれいずれ引退する。
  • SESでやってたベンダーも、経営の意思決定には逆らえない。
  • そもそもお上(公官庁)がパブリッククラウドを推進してる。

そうなった時にITインフラエンジニアとしてはどうすればよいのか、というのはまた次回「コード(プログラム)って書く必要あるの?」で説明したいと思います。

まとめ

  • ITインフラをパブリッククラウドに移行したからといってコストは下がらない。むしろ上がる。
  • プライベートクラウドはまじ論外。
  • カギは運用の自動化による人件費の削減。だが、日本の企業においては組織的な壁がある。
  • 時間の経過とともに壁は崩れ、クラウド化は粛々と進む。
  • 官公庁や銀行でのパブリッククラウド採用も進んでいる。